峰山の郷愁風景

京都府峰山町<城下町> 地図 <京丹後市>
 
町並度 3 非俗化度 9 −奥丹後地方の中心地−





 峰山は丹後半島基部の内陸の町である。半島一帯では最も大きな市街地を持ち、地域の中心として機能している。
 








 
 中世は一色氏の支配する土地であった。この頃に城が築かれ徐々に町場が形作られはじめたというが、本格的な発展は織田信長の命により細川氏にこの地が与えられてからである。この折に城のあった山とその周辺を嶺山と命名し、町人町11ヶ町と家中町が整備されている。
 江戸期を通じて峰山藩の城下町として歴史を築いてきたこの町は大商家も立地し、それは基幹産業であった縮緬によるところが大きかった。西陣から伝達された機織技術は丹後一帯で進化を遂げ、一大産業としてこの地方に根付いたもので、加悦谷と競い合い名声を高めていったという。
 一方災いの多いところで、江戸期に三度の大火に見舞われ、また昭和初期には丹後地震により甚大な被害を蒙っており、その折には峰山藩に関する記録類も焼失している。現在見られる町並は復興により再建されたものであり、城下町時代の遺構は残念ながらほとんど残っていない。
 市街中心には間口の広く迫力を感じる伝統的商家の建物が散見されるが、古い町並といえる連続性に乏しいのが惜しまれるところである。しかしそれら商家の存在は、奥丹後地方の中心としての風格を垣間見るようであった。


訪問日:2012.04.29 TOP 町並INDEX