落合の郷愁風景

岐阜県中津川市<宿場町> 地図 
 
町並度 4 非俗化度 8 −中山道美濃路最東端の宿駅− 


落合の町並 左は旧本陣井口家


 落合は中津川の市街地より北東に3kmの位置、丘陵地帯にある。
 中山道の時代はここが美濃路最東端の宿駅とされ、これから木曽路に向う者には山岳の険路に備え、また木曽谷を下ってきた旅人はここで一息つき、休息または一夜の宿を求めたのだろう。
 幹線道路から外れたため宿場町はそのままの街路形態を残す。江戸方より横町・上町・中町・下町と町割され、江戸側の入口には街路が直角に折れ曲る枡形が現在でも残されている。町の中央には本陣が現在でもその遺構を残している。この井口家は庄屋職・問屋職も兼ね、現存する建物は文化12(1815)の大火以降に再建されたものだという。また建物は残っていないが脇本陣塚田家も庄屋を兼ねていた。
 中山道の中では比較的小規模な宿場町で、歩いて10分もかからないほどの小さな街道集落である。所々に切妻平入りの町家風建築が残ってはいるが、古い町並としての連続性は高くない。一部にはつし二階の旧家も見られるものの、多くは現代になって建て替えられた姿であり、また空き地となっている箇所も少なからず眼についた。
 下町には街道にせり出すように老松が見える。善昌寺の門冠松といわれ、この寺が創建されたのは関ヶ原の役が勃発した慶長5(1600)年といわれる。その時すでに山門を覆っていたというから、この松は中山道の大名行列以下、すべての通行を見守ってきたわけである。








  「善昌寺の門冠松」


訪問日:2011.07.18 TOP 町並INDEX