谷合の郷愁風景

岐阜県美山町【産業町】 地図 <山県市>
 町並度 5 非俗化度 10  −製材業と和紙産業で繁栄した山間の町−




国道に沿い展開する谷合の町並


 
美濃太田・関から内陸部を樽見までつなぐ国道418号のほぼ中間に位置する谷合地区。長良川の支流武儀川とその支流神崎川の合流点付近にあり、谷合という地名からいかにも集落が立地し、物資が集まりそうなところだったのだろうと想起させられる。
 江戸期は美濃国山県郡に属し、初めは幕府領だったが元文2(1737)からは岩村藩領となった。
 産業としては紙生産、茶・生糸などがあり、また豊富な木材も得て製材業も盛んで、挽板に加工され建材として珍重された。それらの各種産業に山間部からの物資が集まって小規模ながら商業町的な賑わいを示していたのだろう。明治期の記録で人口1200弱とある。
 神崎川に架かる橋より西側、緩やかな坂に沿って町並が展開していた。国道の両側に古い家々が連なっており、町場としての隆盛期には街道は既にその幅員が保たれていたのだろう。町並の延長としては短いものの連続性が感じられる箇所もあり、歩いていて見応えを感じる。古いものでも明治から大正期にかけての建物だろうが、一階部分が開放的な造りになっているものが多く、商店・商家であったことを示していた。一部には袖壁を備えたものもあった。






 



訪問日:2021.03.29 TOP 町並INDEX