三崎浦の郷愁風景

高知県土佐清水市【漁村・商業町】 地図 
 町並度 4 非俗化度 10 −鰹漁と廻船 製糸業なども発達した−

   

比較的整然とした町割の見られる三崎浦の町並


 土佐清水市三崎浦は市街中心から西に10km弱、太平洋に突出た千尋崎という小半島の東にある。半島西には観光地として知られる竜串がある。
 江戸期、三崎村は村方と浦方に分けられ、それぞれに庄屋が置かれていた。浦方には漁船3、廻船2、諸船18などが記録され、人口も500人弱を数えた(19世紀初頭の享和年間の記録)。
 制札所や藩の米蔵も置かれ、納高は400石余りであったという。
 漁業は鰹漁や網による諸漁業が行われ、漁間に畑作が行われた。また商人や職人も多く存在していたようで、少し進んだ天保年間の記録ではそれぞれ31・12人とある。明治以降は養繭や製糸業も盛んに行われた。
 三崎川の河口近くで比較的平地に恵まれ、平坦地に計画されたような町割を持つ。家々は平入りにほぼ統一され、一部に漆喰の塗屋造り、二階部に木製欄干を持つ家、また煉瓦塀を持つ比較的広い敷地の邸宅も確認された。
 観光客の訪ねる名所が近くにありながら、この三崎浦集落内は全く静かで、時折住民の方が軒先で話し込まれている姿、建物の中からテレビの音が漏れてくる情景を見るだけであった。








漆喰壁や煉瓦塀を持つ家屋も見られた

訪問日:2019.08.11 TOP 町並INDEX