三朝温泉の郷愁風景

鳥取県三朝町<温泉町> 地図
 
町並度 4 非俗化度 5 −歴史の古い山陰を代表する温泉街−






三朝温泉街 伝統的な旅館建築もが散見される


 県中部の山懐にある三朝温泉は歴史が古く、平安期には発見されていたとされている。
 山陰地区を代表する温泉地の一つで、数々の文人も訪れるところであった。温泉街の中心にある三朝橋のたもとには河原に露天風呂があり、三朝を象徴する風景となっている。
 広大な山地を後背地に従え、江戸期よりたたら製鉄や林業が盛んであり谷口集落にあたる現在の温泉街付近はその集散地ともなった。そのような人・物資の集いやすい地に立地していたことも温泉地としての発達を後押ししたことだろう。明治に入ると山陽側とを結ぶ街路が整備され、京阪神方面からの旅客も増加した。その後鉄道が開通すると、山陰地方を代表する観光保養地として大型の旅館施設も多く建てられた。泉質も貴重な放射能泉であり、療養目的で訪ねる客も多い。
 しかし現在の温泉街を歩くと、意外にも素朴な雰囲気が残されている印象である。三朝橋の倉吉市街地寄りでは近代的な観光旅館もいくつか見られるが、多くは和風旅館の伝統的な姿が守られている。一方橋の反対側では河原の露天風呂をはじめ、射的や遊技場など宿泊者の娯楽施設が多くみられるなど、典型的な温泉街の風景が展開していた。
 


訪問日:2011.06.09 TOP 町並INDEX