金川の郷愁風景

岡山県御津町<陣屋町> 地図 <岡山市北区>
 
町並度 3 非俗化度 8  −旭川沿いの旧陣屋町−





金川の旧金川往来沿いの町並
 

 金川は県のほぼ中央部、旭川の中流右岸に展開する町で、津山線の駅が設置されている。
 この地には中世に山城が構えられており、松田氏がここを本拠に備前の広範囲を支配していた。その後勢力を増強した宇喜多氏は永禄11(1568)年金川城を攻め落としたが、慶長8年には城は廃されている。しかし、山城としては備前一帯で最も大きな規模を有していたという。
 廃城後、岡山藩領として江戸期を経過し、その間家老日置氏がここに陣屋を置き、町場を造成し現在の町の基盤を築いている。一国一城令により城が取り壊されると、その石垣を利用して城山の麓に屋敷を築いた。また旭川沿いを辿る津山往来と吉備高原を経て高梁とを結ぶ金川往来との分岐点にあたっており、その街路沿いに商家が集積した。
 国道53号線の西側に旧道があり、南から金川駅を経て旭川の支流・宇甘川を渡ると支流沿いに西に向う県道が分岐する。これが金川往来で、この辺りを中心に伝統的な建物が残っていた。但し、古い町並というほど多く残っておらず、また連続性も低く陣屋町や商業町として賑わった当時の姿は淡い。
 しかし長きにわたり政治経済の中心となったところである。一部には土蔵を多数従えた邸宅も残っていて、歴史をはらんだところであることは感じることができる。
 










訪問日:2012.02.05 TOP 町並INDEX