三庄町の郷愁風景
広島県因島市【港町・産業町】 地図 <尾道市> 町並度 3 非俗化度 10 −廻船業・造船などで町が発達− |
三庄町の町並 | |
因島の南東部を占める三庄町は、昭和28年までは御調郡三庄町として独立した自治体であった。かつては三津荘と書き、平安末期に因島荘から分割された荘園がその始まりとされている。 主な産業は廻船業であった。廻船方が置かれ、76隻の船籍があったとの記録がある。因島ではこの三庄と椋浦の廻船方は大坂にある藩の蔵屋敷への年貢米輸送が義務付けられていた。また農業に従事する者も多く、漁業はどちらかというと農間余業に位置づけられるものだった。塩田も造成され、また柿渋が名産で各地に売り捌かれたとの記録もある。 現在も三庄町と呼ばれる区域は広く、南北3kmほどにわたっている。最も大きな集落は町域北部の浜上地区で、海岸には近代的な造船所がある。古い町並は見られないが、一部に塀を持つ広い邸宅も見られる。廻船で栄えた名残なのだろうか。 この地区は現代になって造船や鉄鋼など重工業が誘致され、その発達により再度賑わいを増している。その中でも特筆されるのが家老渡地区の一角だろう。大正時代に鉄工所が誘致され、その労働者のための遊興の目的で造成されたという。格子の残る建物や窓の造作などに若干その趣が感じられる。俗に鉄工所遊郭とも呼ばれるほど賑わったといわれる。 |
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家老渡地区の町並 鉄工所遊郭と呼ばれる一角 | |
神田地区の町並 |
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