宮口の郷愁風景

静岡県浜北市<門前町> 地図  <浜松市浜北区>
町並度 3 非俗化度 6 −庚申寺の門前街−




 

 

 宮口は浜松の市街地から北に約15km、広域には天竜川右岸の氾濫原のようなところである。
 中世は宮口郷と呼ばれ、江戸期には井伊谷藩からわかれた旗本近藤家領であった。宮口村は近藤家領内では最も大きく領地の4分の1を占めており、この地域では笠井町と並んで古くからの町場であったという。
 地名から神社を中心とした集落と思いがちであるが、実際は庚申寺という寺院の門前に市が立ち、それが次第に規模を増して町場化したとのことである。地名の由来としてはそれとは別に、古代に郡内にあった神社の入口にあたっていたことなど諸説あるらしい。
 庚申寺は大阪の四天王寺と並んで庚申信仰の中心として栄え、「宮口の庚申さま」として親しまれてきたという。
 現在門前街は石畳調の舗装が敷かれ、風情を演出している。しかし肝心の町並となると伝統的な建物は数軒見られるだけで、門前街は形成しているもののその規模もそれほど大きいものではない。しかし、この宮口地区では「宮口まちおこしの会」という任意団体が歴史を認識されさまざまな取組をされている由で、門前の修景もその一環であるという。
 門前街の中心に花の舞酒造という造り酒屋がある。伝統的な構えを守り現在も営業を続けている姿は町のシンボルのようであった。
 


 
 宮口の町並  


 


 
   


 


 
庚申寺   

訪問日:2019.11.04 TOP 町並INDEX