江尻(天橋立北側)の郷愁風景

京都府宮津市<漁村> 地図
 町並度 4 非俗化度 6 −天橋立の北側のたもとに展開する−
     
    
 日本三景のひとつとして云わずと知れた天橋立の北のたもとは、多くの土産物店や笠松公園へのロープウェーなどもあり、一大観光地となっているが、そのすぐそばに外来客がほとんど足を踏み入れないエリアが、やや古い町並を従えて残っている。

天橋立を北側から見る 左端付近から外れにかけてが江尻地区





 
 
この江尻地区は橋立のたもとから東側の地区を指し、西側から北側の店舗や旅館の並ぶ地区からは外れ、一転して静けさが支配している。歩いてすぐのところに天橋立という一大観光地があるとは思えないような雰囲気である。
 江尻村の名は中世には見え、漁村として生計を立てていた。江戸も半ばごろになると様々な漁法を体得し丹後半島先端の経ヶ岬から間人沖にかけてを漁場とした。宮津や伊根などの漁師と漁場を巡り争いを起こすこともしばしばだったという。
 今見る江尻地区の町並のイメージは漁村らしいものではなく、むしろ小規模な商家の連なる町並の名残とでもいえるものであった。土蔵を従えた旧家がある一方で、土塀を持つやや敷地の広い邸宅も見られる。しかし現在に本格的な古い町並を残すほどの素地まではなかったと思われる。天橋立観光地区に巻き込まれなかったことで、偶然旧来の姿が良く残ったといったところだろうか。
 ここを訪ねた時も、天橋立は団体客を含め多くの観光客で賑わい、好対照だった。
  
 







 
訪問日:2016.11.12 TOP 町並INDEX