田井・矢原の郷愁風景

京都府宮津市<漁村> 地図(田井) 地図(矢原)
 町並度 4 非俗化度 10 −天橋立を対岸に望む漁村集落−

    








田井の町並


 
宮津市街地から北東に5kmほど、小半島の西側に幾つかの集落が見られる。西の海に眼を向けると天橋立が横一線に眺められるが、横から見る形になるので松林が延々と続いているだけにしか見えない。しかしこの半島のお蔭で外海と隔てられ、天橋立周辺の海域にの穏やかさをもたらしている。
 田井集落は山地が海に迫る中、わずかな平地に所狭しと家屋が連なる。集落内に入る車道は袋小路状となっており、かつ集落以外の車両の進入が禁じられているため、非常に静かな環境が保たれている。
 海岸から一本入った細道がかつての中心路だったと思われ、それに面して各家が表玄関を構える。木質感の高い構えや土蔵なども見られ、古い集落であることをうかがわせる。町並の出で立ちからは純粋な漁村というよりは農村集落的な色合いもある半農半漁の集落という雰囲気が感じられる。


 田井より半島を2kmばかり南下した矢原地区は、弓形に連なる海岸線に沿い、弧状に家並が連なる。田井地区とはまた変った風情の町並だ。平入りの建物が連続しており、古いものは少ないながら町並としての体裁は保たれている。二車線道路の山側にしか展開していないのが特徴で、海岸の様子から見るに当初からこのような1列に展開する形であったものと思われる。一見街道集落を思わせるたたずまいだ。比較的平地に恵まれ、集落の背後は耕作地が広がっており、漁村というより農村集落的な家々そして集落の形であった。


矢原の町並




矢原の町並

   

訪問日:2016.11.12 TOP 町並INDEX