この小木半島付近は古い時代に噴火した火山の影響を受けており、比較的緩やかな丘陵地帯が展開する一方海岸は小さな岬や入江が連続し、美しい風景が展開している。比較的平滑な海岸線の多い島内にあって特徴的な地域である。 それらの入江の奥には小さな漁村や港町が存在している。北前船の寄港地ともなり保存地区に指定された宿根木が代表的なところであるが、それ以外にも風情ある漁村が散在しており、ここではその中から幾つか紹介する。 |
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小木(元小木)の町並 | |
琴浦の町並 | |
小木の市街地から小さな岬を隔てた元小木地区。海岸にはたらい船の乗場あり、小さな港は経島・矢島などの小島に守られ穏やかな風景が広がる。ここは中世には港として開けており、対岸の柏崎方面からの船が発着していたという。また海鮮問屋の集落であったという情報もある。 家並は狭い谷間に沿い列状に連なる独特の形で、商家を思わせる平入りの建物、現役の民宿もある。 宿根木地区の東1kmほどに位置する琴浦。背後は水田地帯となっており、小さいながらも鋭くえぐれた入江との対比が面白い地形である。谷を埋める屋根瓦も宿根木に類似した眺めで、木質感の高い家々が連なる細い路地が占めている。 なお宿根木から海岸伝いに遊歩道が設置されているので、奇岩や洞穴を辿りながら集落を巡るのも面白いだろう。 半島の西端近くにある深浦地区。この付近でもひときわ深い入江の奥にあり、道路は高い橋梁で跨いでしまうが、橋上から集落全体を見下ろすことができる。小さな漁村ながら冬の季節風や波浪の防げる良港で、緩やかな坂道に展開する路地は静けさが支配していた。 |
琴浦の町並 |
深浦の町並 |
訪問日:2017.04.30 | TOP | 町並INDEX |
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