六日市・七日市の郷愁風景

島根県六日市町<商業町> 地図(六日市) 地図(七日市) <吉賀町>
 
町並度 4 非俗化度 10 −石見南端の二つの市場町−




 県の南西端、益田市に河口を持つ高津川の上流域に六日市の町がある。旧石見国の南端で、県内とはいえ松江付近からはかなりの時間を要する。
六日市の町並 


 六日市及び七日市は市場町として発達したことに由来する地名で、かつては別々の村であった。
 殊に六日市は街道の要所として宿駅の役割を担い、また街道に参勤交代の通行もあったことから本陣も定められていたという。地形的に高津川支流を集める盆地であることから周囲の農山村から産物が集まり、街道の往来とともに市が興ったのだろう。
 産業も盛んで、特に津和野藩の奨励で楮の植栽、和紙の生産が行われ、六日市はその中心として藩の財政上重要な位置を占めていた。
 中国自動車道のICも設置されているが山間の小さな町で、中心街もひっそりとしている。古い町並はまとまって残ってはいないが厳かさを感じる旧家もあり、商業が繁栄した時代の残影が感じられる。
 七日市は六日市より5kmほど下流側、ここも小さいながらも支流を集め盆地状となっている。
 元禄期に市が開かれたことが地名の興りといわれるからこちらも相当古いもので、こちらも旧市街は国道から外れて、古い町並が若干残っていた。真新しい漆喰をまとった大柄な商家が塀を巡らせている姿を見ると、古くは今とは比較にならぬほど商業経済の中心として位置づけられていたことを感じる。






六日市の町並




六日市の町並 七日市の町並




七日市の町並

訪問日:2012.06.17 TOP 町並INDEX