村井の街道風景

長野県松本市<宿場町> 地図 
−城下町松本の南に控える善光寺街道の宿駅- 
町並度 4 非俗化度 7


   
村井の町並
 

 
村井地区は松本市域の南端、南に塩尻市を控えた地区にあり、標高600mを超える土地にありながら広々とした盆地の中にある。
 中世には村井氏が蟠踞していたところで、村井氏は諏訪大社上社の造営役なども担当していたという。古い歴史を持つところである。
 中山道の洗馬宿から松本城下を通り善光寺に達していた北国西脇往還(善光寺街道)は郷原宿を経てこの村井の宿場を経由していた。慶長年間には既に宿駅として町場が形成され始めたとされ、元禄年間には82軒の家屋があったという。松本城下を控えた関所のような役割もあり、番所が設けられ木曽・諏訪・伊那方面からの出入りを取締った。
 本陣も存在し、旅籠も多く立地していたが明治に入り二度の大火に襲われ、宿場町当時の様子は町並には残っていない。それ以後に街道沿いに建てられた商家の建物が現在残る町並の主な姿だ。
 塗屋造りの町家や土蔵が眼につく一方、塀に囲まれた屋敷や造り酒屋が厳かな姿を街道に面させている姿も一部であった。連続性はそれほど高いものではなく区間も短いが、それら格式ある邸宅が印象度を高めてくれる。

 




重々しい塀に囲われた旧家や造り酒屋の姿もある




訪問日:2012.01.03 TOP 町並INDEX