武佐の郷愁風景

滋賀県近江八幡市宿場町 地図 
 
町並度 5 非俗化度 7 −近江八幡市街の陰にひっそりと息づく旧中山道宿場町−




武佐(旧武佐宿)の町並 右は代表的な商家・大橋家




現存する本陣の門

 
 武佐地区は近江八幡市街の南東の外れ、旧中山道の宿場町として繁栄していた町である。近江鉄道の武佐駅前がそのまま旧中山道で、一目で旧街道とわかる街路が北東に続いている。歩を進めると平入りで虫籠窓を纏った歴史的な家屋が所々に現れてくる。二階の立ち上がりの低い中二階形式で、宿場町の時代に遡るものもあるように思われた。
 愛知川宿と守山宿に挟まれたこの武佐宿は、本陣・脇本陣それぞれ1軒を有していて、大名行列等の重要通行にも対応した態勢であった。
ここは中山道より八日市を経て、伊勢方面へ抜ける八風街道という枝道を分岐するところでもあり、分岐点には道標が残る。その追分から国道421号線に交差する辺りにかけては伝統的な建物の密度が濃く、古い町並らしい風情を漂わせていた。代表的なものは往時から大商家であった大橋家で、建物は建替えられているものだろうが400年の歴史を有する旧家といわれる。近くには本陣が、建物は残っていないものの門が保存され、宿場町らしいたたずまいを濃厚に残している一角だ。
 伝統的な建物はそれほど多い状態とはいえず、また古い町並としての見応え度としてももう一つ決め手がほしい所である。ただ現在も料理旅館として営業を続けられている旧旅籠の屋号中村屋などが旧態依然として姿を留め、本陣の遺構も残るなど宿場町の時代を想起させる姿が残っている点は評価したい。

  





旧八風街道沿いの町並 八風街道と中山道の合流点付近の町並

訪問日:2007.07.16 TOP 町並INDEX