妙寺の郷愁風景

和歌山県かつらぎ町【在郷町・街道集落】 地図 
町並度 4 非俗化 9 −高野山への登山口及び川運で栄えた大和街道沿いの町−






妙寺の町並


  妙寺はかつらぎ町役場にも近い町の中心集落の一つで、和歌山線の駅が設けられている。地名から寺を中心とした集落と思われるが、同名の寺は付近に存在しない。
 高野山の登山口にあたり、現在でも紀ノ川の対岸から山上に向う道路がある。今は主要道ではないがかつては多くの客がここから高野山を目指していった。また、北方面にも峠を越えて南河内に達する街道がここから派生しており、人や物資の集まりやすい土地にあった。 確かな資料に乏しいが、地区の南を流れる紀ノ川は水運に利用され、水陸ともども賑わい、在郷町として発展していたようだ。
 地区を東西に旧大和街道が横切る。古い町並はこの街道沿いに残されていた。
 現在では人通りもほとんどない旧道は車の離合も困難なほど細い道で、しかしここを紀伊藩主の参勤交代の隊列をはじめ、多くの旅人が往来していた。かつての主要道である。
 袖壁を従え、また一部には虫籠窓を施した旧家も残っているが今ひとつ連続性には乏しく、全体的にうら寂しい雰囲気の漂う町並であった。家並の南側は一段土地が低くなっており、細い路地を抜けると土蔵が幾つか眼につく。石垣にかさ上げされた土蔵群。舟運の物資が土蔵や路地に次々に荷揚げされていたであろう光景を想像した。








町並の裏手に路地を介して土蔵が散見されるのが印象的だった
 

訪問日:2011.08.14 TOP 町並INDEX