眼鏡橋周辺の郷愁風景

長崎市諏訪町他<商業地・寺町> 地図 
町並度 4 非俗化度 5 −石橋群と麓の寺に囲まれた古くからの商業地−



 
寺町と中島川を結ぶ小路に趣のある町の風景が展開する



 ここで紹介するのは中島川にかかる有名な眼鏡橋を中心に、東側の丘陵地の麓にかけての地区である。第二次大戦時の原爆被災により市街地の大半は焼失している中で、長崎は複雑に入組んだ独特の地形の影響か比較的旧来の趣を残す地域もある。




山裾の寺町には文字通り寺院が集結している




べっ甲の老舗・江崎べっ甲店




眼鏡橋




古町の町並




諏訪町の梅寿軒(和菓子の老舗)

 
 山裾に寺の密集する寺町、一段低くなった土地に八幡町・麹屋町・諏訪町など古くから商業が盛んだった町、それが川を挟んで続いている。寺町から川沿いまで一直線に下ってぶつかる街路が幾つもあるのが特徴で、それらに小路の風情が残っている。また川沿いの道より一本東に入った南北の筋も、南部を中心に商店街化されながらも老舗の風格ある建物など、存在意義の高い建築物が残っている。
 川の西側には鼈甲
(べっこう)の老舗が和洋折衷の外観を示している姿が異彩を放つ。鼈甲店としては最古のもので、宝永6年(1709)に創業の老舗であ。その他町家風建築が数棟連なる風景もある。但しこちらは近代的な商業地区として多くが更新されており、歴史性を感じさせる町の風景は僅かであった。
 中島川には多くの石橋が現存している。しかしその中にあって眼鏡橋のみは2スパンの原型的姿を今に留め、長崎を象徴するものとして貴重なものである。
 
 


訪問日:2010.08.14 TOP 町並INDEX