松原町・中島町界隈の郷愁風景

名古屋市中村区【住宅・商業地(非戦災地区) 地図
 町並度 4 非俗化度 8
 −駅西側の戦災を免れた地区 町家風建築が多く見られる−
 
大秋町一丁目の町並 松原町三丁目の町並




松原町五丁目の町並 中島町二丁目の町並




中島町三丁目の旅館 則武二丁目の町並 看板建築が見られる


 名古屋の中心街は駅の東側に展開し、西側は後発的に住宅地・商業地として開発されてきた地区である。そのため比較的整然とした街路が連なっている。中心街は多くが戦災に遭った一方、駅の北側から西側にかけては焼失を免れている。
 ここで紹介する松原町・中島町付近は駅から1km余りのところで、意外な近さに駅周辺の高層ビルが望まれる。そんな中にあって木造の町家風建築が多く残っているのが印象的で、特徴的な一帯といえるだろう。西側は東洋一の遊興街ともいわれた中村遊郭のある大門地区に接している。
 中島村はかつて東海道熱田宿(宮宿)の助郷村ともなっていた。今では完全に都市域に取り込まれてしまっているが、自治が行われ歴史のある町であったのだろう。
 中島町の中央には中村遊郭から東に一直線に名古屋駅まで通じている街路が通じ、町内でも早くから賑やかな一角だったと思わせる。現役と思われる旅館、老舗らしい商店の姿も眼につく。二階部に木製欄干を持つ建物もあり、二階のガラス戸の意匠などを見ていると、遊興的な役割を帯びていた建物であったのかもしれない。
 さらに東に向うと駅西銀座と呼ばれる商店街となる。看板建築なども見られるが次第に駅前の賑わいが増してくる。逆に駅から徐々に離れる方向に歩いていき、昭和的商店から町家群と変っていく町並を見るのも面白いと思われた。

訪問日:2019.05.24 TOP 町並INDEX