戸田の郷愁風景

名古屋市中川区<商業町> 地図
町並度 4 非俗化度 7 −川に沿う南北の街路に沿い入母屋屋根の商家が散見される−






戸田二丁目の町並


 名古屋市域の南西部、戸田川右岸に展開する戸田地区。近鉄戸田駅の北側に古い街区が展開している。
 古くは富田と表記したとされ、左岸側の春田地区に「富田支所」などの施設名が見えるのはその名残か。
 戸田村は江戸から明治中盤まで独立した村として立地し、藩政期は尾張国海東郡に属し尾張藩領。村内は一の組〜三の組に分けられ一の組には富豪があり村内の規律を取仕切っていた。一方三の組には蟹江街道が貫通し、街道集落的な趣もあったという。しかし村の成立ちは、戸田川の水利を得た穀倉地帯であり、戸田米は藩主への御膳米として珍重された。それらから街道の地の利を得、一部が商家として富を重ねた小さな在郷商業町というところだろう。
 その様子は戸田川右岸の南北の道を歩くと伝わってくる。入母屋の屋根を構えた堂々たる建物、板塀を連ねた邸宅など一帯は裕福な家々が多かっただろうとの感想を歩いていると抱かせる。寺院の密度も濃く街路も地図上では整然としている風に見えながら不規則に屈曲する路地や袋小路があったりと、古い街区であることがわかる。
 
 



戸田二丁目の町並




戸田一丁目の町並 戸田三丁目の町並

訪問日:2019.05.25 TOP 町並INDEX