中村町の郷愁風景

兵庫県中町 商業町・街道集落地図  <多可町>
町並度 4 非俗化度 8 −北播磨の盆地に展開する商業町−









中村町の町並
 

 中町中村町は西脇の市街地から北西に5km余り、加古川の支流・杉原川沿いの小盆地に市街が展開している。
 現在の市街中心に当たる所は南北に姫路街道が貫き、街路に沿って町場が発達した。とはいえ山々に囲まれた地域でもあり、産業は農業が基盤で、塩売りや布木綿織などが農間余業として行われていた。その中から播州織の名産地として、また酒米の山田錦の発祥地として知られるなど、当地の特産物も誕生した。
 初めは姫路藩領であったが、寛永16(1639)からは幕府領となった。安永8(1779)年の記録では104軒、500名弱の人口を擁していた。
 


 旧街道沿いは行政機関も立地するなど建物の更新が進み、所々に昔ながらの建物が挟在した状態となっている。大正時代には播州鉄道(後の国鉄鍛冶屋線)が開通しており、現在は廃線となっているが駅を中心とした市街地も形成された様子がうかがえた。
 また南に続く安坂地区にも、街道集落を思わせる町並が続いていた。こちらは外側を塀で囲み、土蔵を従えた姿で農家だったのだろう。この地域には豪農も多く、幕府領時代に大庄屋をつとめた家もあったという。
旧鍛冶屋線駅前付近の町並   
 

 

安坂の町並 
訪問日:2021.06.27 TOP 町並INDEX