山香の郷愁風景

大分県山香町<商業町> 地図  <杵築市>
町並度 3 非俗化度 9 −国東半島基部の町 米の集散地として発展−





山香の町並 線路沿いには倉庫群も見られる








 
 

 国東半島の基部、周囲を5〜600mほどの山地に囲まれた盆地部に山香町はある。山地から多くの小河川が注ぎ込み、古くから農業の盛んな土地であった。
 藩政期には日出藩領で、3代目藩主俊長は原野であった土地に灌漑池を築造させ、生産性を高めた。しかしながら旱害、水害、虫害などに見舞われ凶作も多く、百姓一揆も頻発していたという。ただ盆地の中心で周囲の山間部からの産物の集散地として、小規模ながら商業町の発達を示していた。特に山香米と呼ばれる米がよく知られ、特に明治以降鉄道開通によって米の集散を背景に発展した。
 また、この地は珪藻土が豊富に採掘され、大正期から昭和初期頃にかけて採掘・加工工場の開設が相次いだ。
 日豊本線中山香駅付近に中心市街地が展開する。歩いて10分もすれば街はずれといった感じであり、格別に伝統的な建物が残っているわけでもない。しかし全国どこでもありがちな店舗というものがほぼなく、町並は昭和感に満ちている。
 今は廃業されているようだったが造り酒屋の建物、線路の近くには大きな倉庫建築も見られるなど、米の集散地らしい風景もあった。

訪問日:2021.11.13 TOP 町並INDEX