鳴海の郷愁風景

名古屋市緑区【宿場町】 地図 
 町並度 5 非俗化度 8 −東海道の本宿−



 鳴海は名古屋市の東部に位置し名鉄線の駅が設けられ、交通の便がよく屈指の郊外地となっている。
 東海道はここに41番目の宿が設けられ、西進する旅客は熱田の宮を経て海路伊勢桑名宿へ達するのが一般的だった。
鳴海町本町の町並




鳴海町相原町の町並
 

 鳴海宿は本陣 1・脇本陣2軒・旅籠屋 68軒と東海道の宿駅としては中程度の規模であったが、東一里のところにある間宿の有松とともに絞り染めで大きく繁盛したところだ。尾張藩から奨励された産業であり安定的な町場の発展をしめしていたが、両者の間ではしばしば販売権を巡る紛争も発生していたという。
 今では信じられないが鳴海宿付近はかつて直接海に面していた。地形的に北側が丘陵地となっているが南側は川を挟んで鳴海駅の付近は土地が低く、入海のようになっていたのだろう。江戸期頃には海岸線は後退していったというが、鳴海という地名その他海との関連を思わせる地名も散在しており、また古い寺社が街道北側に固まっていることからもそれが納得できる。
 古い町並としてはやや連続性に乏しくなっているのが残念なところであるが、しかしそれでも平入りの伝統的な建物が随所に残っており、街道の片側に数軒連なっている箇所もある。厳かな塀に囲まれた重々しい邸宅もあり、宿駅業務のみならず産業が発達した様子を感じ取ることができる。
 街道が直角に折れ曲る枡形もあり、旧宿場町らしい街路形態が残っていた。
 
 




鳴海町作町の町並


鳴海町作町の町並

訪問日:2012.01.04 TOP 町並INDEX