二軒茶屋の郷愁風景

三重県伊勢市【港町】 地図
町並度 4 非俗化度 8 −伊勢宮参拝客を受け入れた港 貴重な老舗が残る−
 


 

 
名物二軒茶屋餅を販売する老舗


 伊勢市二軒茶屋地区は市街中心からは東へ2km弱、勢田川の右岸にある。正式には神久と呼ばれ、川沿いに商家が発達した河崎の町よりは1kmほど下流部にあたる。
 伊勢宮への参拝は多くは陸路によっていたが、船を利用して海路伊勢入りする客もあった。特に三河や尾張、遠江方面からの参拝客は伊勢湾を横切ることで距離が短縮できるため、多く利用されていた。
 勢田川の下流部にはそれら参拝客が上陸した港が幾つかあり、この二軒茶屋もその一つであった。
 港としては規模は小さく、船着場の周囲にはかつて二軒の店舗しかなかったという。それぞれ角屋、湊屋という屋号で客をもてなしていた。そのことからこの地のことを二軒茶屋と呼ぶようになったという。
 そのうち角屋は現在も餅屋として営業されている。伊勢らしい板張の外観に、「名物二軒茶屋餅」の看板と暖簾、店内に入ると昔の商家の帳場のような畳の間がある。木製の陳列棚も年季が入っており、老舗というに相応しい構えであった。 
 この周囲にも数棟の商家建築や土蔵などが残っており、小規模ながら古い町並を形成していた。









訪問日:2016.06.05 TOP 町並INDEX