良川・西馬場の郷愁風景

石川県中能登町<街道集落> 地図 
 
町並度 5 非俗化度 8 −七尾街道西往来沿いの街道集落−
 





良川の町並


 能登半島は、地勢的には北部の奥能登地域に山地・丘陵が広がり、基部に近いあたりに宝達丘陵が南北に走っており富山県との境をなしている。その中間は東西に平野部が貫く地溝帯で、穀倉地帯となっている。
 現在は国道159号線と七尾線が主要な交通路となっているが、かつては能登街道により七尾そして奥能登と往来していた。能登街道は広義の呼び名で、七尾より南は七尾街道といわれ、それも地溝帯の北西側と南東側二本の道筋があった。それぞれ西往来・東往来と呼ばれていた。
 この良川・西馬場地区は西往来沿いに発達した集落で、いずれも宿駅機能は持たなかったが人馬の行き来は頻繁だった。七尾への街道として加賀藩から正式に認められていたのは東往来だったが、西往来の方が距離が短く旅人はこちらを利用することが多かったという。良川には馬継場もあり賑わっていた。
 伝統的な町家・商家建築が多く残り古い町並を形成していた。目立つのが真壁の妻部を街道に向けた妻入りの建物で、一階部分の格子も状態良く残され、その姿からは威厳を感じさせる。一方街道の幅は車の離合がやっとというほどの細さで、非公認の裏道らしいものであり、その細さがまた家並の風情を高めているように思えた。
 




西馬場の町並
※文章内容は一部「能登部の郷愁風景」と共通

訪問日:2013.05.04 TOP 町並INDEX