今久保・善徳の郷愁風景
徳島県西祖谷山村【山村集落】 地図 <三好市> 町並(集落景観)度 4 非俗化度 10 −名勝かずら橋の直上に展開する斜面集落− |
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今久保集落の風景 谷底に小さくかずら橋の姿が見える | |
徳島県南西部の祖谷地方は急峻な山地の多い四国山地の中でも特に山深いところで、県内でも他地域と地形的に隔てられ独自の文化が醸成された。例によって平家集落の伝説が附帯するがこれは定かなところではない。 吉野川沿いの大歩危から東に向うといきなり険路が続き、峠を一つ越えて祖谷川の谷に入る。この川は剣山を源流に吉野川に合流するまでほぼ全流域で峻嶮な谷を形成しており、有名なかずら橋より下流部がむしろなおさら険阻だ。ここで紹介するのはかずら橋のすぐそばに展開する斜面上山村集落である。 左岸斜面に今久保集落、右岸斜面に善徳集落が展開しお互い対峙している。いずれも現在では谷底の国道からつづら折りの車道があり集落の頂部まで安直に到達することが出来るが、両集落とも祖谷川からの比高は相当なもので、しかも住宅地が立地する土地としては余りに傾斜が急であるため、お互いの集落同士が妙に近い位置にあるようにも感じる。今でこそ乗用車で20分ほどあれば往復できてしまうが、かつてはほんの近くに見えながらもその不便さゆえ、お互いの交流も盛んではなかったのではと、そのような思いも抱かせるような風景である。 この地区の村々では、農業は雑穀や芋などを切替畑とよばれる隔年ごとに移行する畑作地あるいは焼畑などで細々と行われていた例が多く、しかも名主による厳しい支配もあって農民の生活は豊かなものではなかった。しかし、江戸も後期になると煙草をはじめとした名産品も出来、自立的な農業が行われるようになったという。祖谷そばの名で知られる蕎麦生産も、もともとは保存食で有事の折の非常食として備蓄されていたものだといわれている。 今久保集落からはかずら橋が見下ろされ、観光バスや人々の姿も肉眼で見える。しかし集落の佇まいは全くそれとは無縁とばかりに静かに息づいているようであった。 |
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今久保集落 | |
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善徳集落 今久保の対岸に展開する |
訪問日:2012.09.23 | TOP | 町並INDEX |
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