![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
野田尻の町並 | |
野田尻・犬目の2集落は、知らなければ山間と田園の狭間を縫う細道に沿い展開する農村といったような感じで通り過ぎてしまうだろうが、かつての甲州街道の宿駅であったところだ。国道や中央本線は桂川の谷に敷設されたが、旧甲州街道は北側の斜面を縫うように難所をやり過ごしたようだ。 野田尻は日本橋から数え20番目の宿場で、本陣・脇本陣各1を具備していたが旅籠は9と幹線街道にしては規模の小さいものだった。しかし交通幹線から早期に外れたため比較的体裁は保っている。 明治になって大火があり家々の多くが焼失してしまっているが、そのことで逆に、明治後期になって建て替えられた当時の特徴が家々に現れているように思う。二階の立ち上がりの堂々と高い大柄な造りが目立つ。それらはせがい造りという軒先に桁を張出させた構造で、迫力をも感じることができる。 この町並のすぐ南に中央自動車道の談合坂SAがある。新旧の余りにも対照的な交通幹線が近接しているのも滑稽だ。 野田尻から西に2km余りの位置に旧犬目宿がある。桂川の渓谷からは300mも高い地にあり、川沿いが難所であったことがわかる。それにひきかえ比較的平坦地に恵まれたこの犬目集落内の街道は直線的で、ほぼ一直線に家並が見渡される。 残念ながら昭和45年に家々の過半数が焼失する火事があったようで、伝統的建物はわずかに見られる程度であった。 両集落とも、大火がなければかなりの質の古い町並が残されていたのではないかと思われる。 |
|
![]() |
![]() |
犬目の町並 |
訪問日:2015.05.02 | TOP | 町並INDEX |
---|