能登飯山の郷愁風景

石川県羽咋市【宿場町】 地図 
 
町並度  5 非俗化度 9  −沼沢地と山地に挟まれた七尾街道追分の宿−




 






 羽咋市の東部区域は邑知潟の干拓地が広がっており、非常に低平・低湿な土地が展開している。奥能登の山地群と半島基部の宝達丘陵に挟まれたこの一帯は半島随一の穀倉地帯となっている。
 この飯山は宝達丘陵を南に背負い、沼沢地帯との間の平野部に位置している。集落の歴史は古く中世よりその名が見え、江戸時代には七尾街道の宿駅として指定され、また越中方面への往来との追分ともなっていたため賑わいを呈していた。
 加賀藩は邑知潟の干拓など大事業を手がけ、広大な農地を後背地に持ち豊かなところで、その恩恵を最も受けた村で税率も高かったという。
 途中で大きく屈曲する道路線形を持ち、またその街路幅も車の離合には不十分であることから、集落の北側にバイパス道が建設されかつての宿場町はその体裁を残している。但し建て替えられたものも多く、又或いは更地になっていたりして、古い町並として連続した景観が見られる箇所は少ない。ただ残った旧家は袖壁などの意匠が残されていて、歴史が古くまた栄えた町であっただろう事は容易に想像がつく。
 人々の姿もほとんど眼にすることもなく、静かに眠ったような家並であった。
 





訪問日:2013.05.04 TOP 町並INDEX