島根県大田市【在郷町・市場町】 地図 町並度 5 非俗化度 10 −山間部に奇跡的に残る商家の町並− |
大田市大家地区は市の南西端、日本海岸と江川流域とを隔てる山間部にある。周囲は山道が連なり、こんな所に集落が展開するのが意外にも感じられる。 中世の大家荘の中心にあたり、江戸時代に入ると定期的に市が立ち、また大森代官所支配地となり海岸部と江川沿いの商業地・川本とを結ぶ道、そして大森の銀を運ぶ道が通過し、ごく小規模ながらも宿駅的な機能も有していたとされる。 周辺の地形の割には意外なほど平坦な土地が開けており、集落内の街路はほぼ平坦である。約500mの直線的な通りに沿い伝統的な建物が見られる。赤褐色の瓦に覆われたこの土地らしい外観で間口が広く土蔵を従えた堂々たる商家も見られる。明治前期の記録によると1200人余りの人口を抱え、商人や職人宅が50軒近くあり、また紙の原料になる楮などの生産も盛んであったという。 その展開の意外さから印象度が高まる側面もあるのだろうが、それを差し引いても質的に高いものが町並として残されている貴重な集落である。 |
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