大高の郷愁風景

名古屋市緑区<在郷町> 地図 
町並度 4 非俗化度 8 −造り酒屋を中心とした風景が展開する−
 大高地区は名古屋市域の東南端、知多半島の基部にあたるところで平野と丘陵が交錯した地形のもとに町が開けている。
 中世には大高城が存在した。小高い丘に城砦を築き、現在の町並をすぐ下に見下ろす位置にある。桶狭間の役で廃城となり、現在は公園として整備されている。


萬乗酒造付近の町並





 
 城下町としてのこの町の発展はなく、江戸期以降の在郷商業町として近隣の商業中心となったことによるものだ。知多半島の入口という位置にあることや、近くに東海道が通ることからも人の往来が多い土地だったのだろう。特に酒造業が盛んで、また大高焼と呼ばれる陶器も名産品であった。

 大高駅から南に1km弱歩くと展開する町並が古びてくる。道幅も細く古くからの町であることがわかる。大高城址のある丘に沿い家並が展開し、連続した箇所は少ないものの町家は格子などが程度良く残され、往時の姿を留めるものもあった。町内には3箇所の造り酒屋があり、特筆されるのはそれらが町並景観の核となっていることだ。とりわけ南部にある萬乗酒造の佇まいは規模が大きくまた伝統的な建物のまま創業されており、古い町並を自らが演出していた。











訪問日:2010.01.01 TOP 町並INDEX