柳郷の郷愁風景

長崎県小値賀町〖農村集落】 地図 
 町並度 5 非俗化度 10  -石垣の見事な農村集落-



 


 
 農村集落の佇まいを見せる柳地区


 小値賀島は佐世保市の西約70kmほどの位置、五島列島の北部を占め16諸島で構成されている。北松浦郡に属しており平戸藩領であったことから、県内では平戸諸島の一部として認識されている。
 松浦氏が周辺一帯を支配していた中世を経て、江戸期に入ると平戸松浦氏のもと平戸藩が成立、小値賀には代官所が置かれ五島内の藩域を統括していた。
 島の北岸ほぼ中央付近にある柳(柳郷)地区。海岸に小さな港があり、沖合の納島への客船が出ているが船の姿はそれほど多くない。ここは漁村ではなく農村集落であることが特徴である。家々は海岸から少し離れたところに散らばっており、瓦を葺いた門構えや緑濃いそのたたずまいは漁村という雰囲気は感じられない。農業としては肉牛の肥育をはじめ、エンドウ、西瓜やメロンなどの栽培が盛んに行われている。
 県道に近い辺りには、酒屋や大柄な構えの寺など、ひとつの町としての形が見られた。特筆されるものとして、立派な石垣を持つ家々が幾つかある。中には門構えも厳かに広い敷地が屋敷林に包まれて、風格を感じさせる邸宅もあり驚く。また、家並を外れた所には城郭を思わせるような高い石垣が道路沿いに見られた。
 

 

石垣に囲われた邸宅が散見される 
 



 
 
 

城壁のような石垣が見られるところも 
   

訪問日:2024.10.26 TOP 町並INDEX