大井の郷愁風景

岡山市北区<在郷町> 地図
 
町並度 5 非俗化度 10  −陣屋町足守の北側に展開する在郷町−






大井の町並

 大井地区は市域の北西部にあたり、足守川の中流域に開ける平野部にある。南1kmほどのところには藩政時代陣屋が置かれ栄えた足守の町がある。
 奈良期には既に大井郷の名が見え、江戸期は足守藩に属しており、足守川に支流が合流する位置にあり周囲の山間部から産物が集まりやすい環境もあったのだろう、徐々に商家群が発達していったようだ。政治をつかさどる足守とともに在郷商業町として位置づけられていた。
 明治24年の段階で2000人余りの人口を擁し、5と10の付く日には大市と呼ばれる市場が開催され賑わったという。その後大正にかけて最盛期を迎えたがその後鉄道沿線を中心とした都市域の形成に取り残される形で衰退していった。
 海鼠壁に縁取られた土蔵、虫籠窓を備えた町家建築など、この地区らしい町並風景が展開している。国道より東側、足守川にかかる橋を挟んで町並が続き、南側は街路が広く開放的で北側はやや狭く小路状となる。主に橋の前後に連続性を保った古い町並が残っていた。
 また一角には造り酒屋の土蔵が残っており、商業が栄えた時代の残影を感じさせた。
 











訪問日:2012.02.05 TOP 町並INDEX