小野市の郷愁風景

大分県宇目町<在郷町> 地図 <佐伯市>
 
町並度 4 非俗化度 10  −日向とを結ぶ往還沿いの在郷町−




 小野市は宇目町に合併されるまでは小野市村という独立した自治体で、豊後と日向を結ぶ往還沿いに町が開けていた。
 日向との国境をなす峠は険しい道で、古くからの駅名で小野駅が見えるが、国内の他の駅では五匹の馬が常駐していたのに対し、小野駅では十匹配備され、険阻な道のために増備されていたことが考えられる。




小野市の町並
 

 村は南田原
(たばる)村・木浦内村・木浦鉱山村などで構成され、商業活動の中心はこの小野市村で藩の大制札場も置かれていた。市の名の通り定期的に市場が開催されていたため近隣の諸山村の産物が集められいたほか往還の旅人の立ち寄りも多く、在郷町として賑わった。
 国道10号線と県道39号線の分岐付近、その双方ともに旧市街道を踏襲しなかったためにそのまま古い佇まいが残っている。ただし、多くは明治以降に更新された姿で、規模も決して大きく残ってはいない。目的があって訪ねることがなければ、眼にする機会もないような小さな町である。
 一角には明治27年創業の小椋酒造など、商業の中心であったことを物語る風景も残り、辻に建つもと旅館だったらしい木造の建物など、渋く歴史性を発信していた。





訪問日:2011.04.30 TOP 町並INDEX