広島県尾道市<街道集落・商業都市> 地図 町並度 5 非俗化度 7 −石見街道・銀輸送終点の町並− |
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長江の石見街道沿いの町並 | |
尾道市は千光寺山周辺、寺院群と坂道と路地が余りにも有名であるが、その一角に江戸期に遡る古い町並もある。千光寺山とその東側の丘陵との谷間に細長く延びる町は、かつて石見・出雲とを結ぶ街道の瀬戸内側の終点であった。 海岸に丘陵の迫る尾道市街の地形の中でここだけ山並が切れて緩やかであり、街道を取り付けるに格好の地形だったであろうことがわかる。江戸期には藺(い)草や畳表を扱う問屋が軒を連ねていて、また北前船によって運ばれた海産物の加工店なども多数あったという。今でも歩いていて昆布を専門に取扱う商店を見掛けたりするのは、いかにもそれらしい。 石見の銀もここを目指して中国山地を横断してきた。また紀伊高野山領であった太田荘(現甲山町)への物資、年貢米、中国山地の鉄、薪炭や農産物等が集散した。この街道の往来なくして港町尾道の発展はなかっただろう。 斜面上の路地の町並地区とは違いこの街道沿いは観光客の訪れがほとんどなく、家々の出で立ちも普段着だ。そして古びた虫籠窓や袖壁をまとった、昔ながらの家々が所々残され、緩やかな登り勾配とカーブを描いて街道集落らしく伸びやかに連なる。 家々は街路に対して斜めに構えたものも多く、古い姿を留めていた。 |
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長江の町並 | 長江の町並 |
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緩いカーブと勾配が続く趣ある家並です。 | 線路に近いこの辺りで路地巡りのコースと交差します。 |
訪問日:2004.01.02 | TOP | 町並INDEX |
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