大佐田・井野浦の郷愁風景

愛媛県三崎町 <漁村> 地図
 町並度 4 非俗化度 10 −三崎湾の南側を固める2集落 青石の石垣も見られる−



 


 


 


 
 大佐田の町並


 佐田岬半島の先端近く、佐賀関とのフェリーの発着する三崎港の入江南側の小半島沿いに大佐田及び井野浦の集落がある。両集落とも江戸期には宇和島藩領に属し三崎浦の枝浦であった。
 大佐田の背後の山からは佐賀関と宇和海が一望され、中世には山城が置かれていた。寛文年間の記録では大佐田は家屋12軒で漁船2、井野浦は同8軒、漁船2と零細な村であったようだ。しかしそれぞれ、役加子3を含む加子8名の記載がある。井野浦には船番所も置かれていたという。
 採取漁業が盛んで、両村とも現代の租税にあたる小物成はアワビであった。現在は多くが農家となっているという。
 三崎港の入江に面し、穏やかな海浜風景が展開している。集落の展開は密集型漁村集落という形ではなく、比較的平地に展開しているためかゆとりの感じさせる建て方であった。
 集落風景の特徴は海岸沿いの家々にある。伊予の青石と呼ばれる石材が豊富に採れる地域で、石垣を築いた家々が目立つ。特に井野浦では、海岸線に並んだ家々の外側を石積で防御した独特の風景を見ることが出来る。住居としては小規模で、漁具置き場か。一角には「青石公園」と名づけられた小公園もあった。なお、井野浦は明治時代に銅精錬所が置かれたという異色の歴史があり、地区内でも銅山開発が行われ戦後しばらくまで続いた。
 大佐田では石垣に覆われた家屋こそ少ないが、港に面した一帯にはやはり小規模な家々の連なりがあり、井野浦と共通するものがあった。
 
   


 


 
 井野浦では青石で築かれた石垣が多く見られる 


  
    

   
訪問日:2021.08.06 TOP 町並INDEX