大妻籠の郷愁風景

長野県南木曽町<街道集落> 地図 
 町並度 6 非俗化度 5  −中山道沿いに迫力ある町家建築が残る−







大妻籠の町並 建物自体は妻籠よりも迫力を感じるほどだ


 ここで紹介する大妻籠集落は旧中山道に沿い、宿場町であった妻籠より南に1kmほど離れた位置にある。大が付されるのでこちらが本家本元のように思われるが正式に宿駅として認められていたわけではなく、また町の規模も妻籠に比べるとはるかに小さい。馬籠宿との間には峠があり、それに向けていよいよ急坂が展開しようとしている。深山の嵐気が感じられるところである。
 妻籠宿の属村のようなところであるが、妻籠との間で木曽川の支流を渡る。ここは橋場と呼ばれ、中山道から飯田方面に向う清内路街道が分岐する追分となっている。そのことで橋向うの大妻籠地区に旅籠街としての需要があったのではないかと考えられている。
 坂道に展開する町家は妻籠よりもむしろその構えが大きく、間口も広い。そして中心部にはうだつを堂々と立上げた旧家が幾棟か連続している。宿場町であった妻籠は間口の広さに応じて課税される制度があったはずで、一方ここではそのような縛りがなかったからかもしれない。それにしても迫力を感じさせる佇まいだ。民宿として現在でも営業されているものもある。
 風景的にも周囲の山々だけでなく町並の中にも緑が多く、また家々もずいぶん土地的に余裕のあるような建て方で、中山道沿いの町並としては特異なところである。
 
 











訪問日:2011.07.18 TOP 町並INDEX