小木の郷愁風景

  新潟県小木町<港町> 
地図 <佐渡市>
 町並度 6 非俗化度 7 −風待ち港として重宝された佐渡を代表する港町−

  小木町は佐渡島の南西端を占め、日本海に向け鋭い半島状の陸地が突き出ている。
 その中にあって半円形状の入江を持つ小木港を囲み、町の中心部が形成されている。南に湾口を開く形のため、冬季の季節風を回避し、島の中でも恵まれた条件であった。















 江戸初期の慶長年間には早くも出雲崎への渡海場に指定され、島内各地から小木への陸路も整備された。江戸も後半になり西廻り航路が発達すると、風待ち港として重宝された。越後の各地からの廻米はこの小木に一旦集められ、ここから500〜1000石積の大型船に積み替えられて大坂に運ばれたという。また、蝦夷地・松前との交易が盛んに行われ、また松前と各地とを結ぶ諸船も多く立寄った。
 地図を見ると、小木の中心街は半円形状の湾の形に合わせ、街路が円弧状を呈している。家々はそれに沿い間口が狭く、奥行の深い形状をしており、いかにも歴史に根付いた町並が展開しているものとの期待を抱かせる。事実町を歩くと平入りの連続性の高い家並が連なっており、港を基盤とした賑わいは相当なものであっただろうことを伺わせる。
 江戸期に遡るような古いものは無いようだが、2階部が前面にせり出した「せがい造り」の建物が多くを占め、町並の印象を独特なものとしていた。街路が緩やかに曲線を描き、家々が円弧状に連なるため遠方まで見渡すことができず、それに続く町並風景の期待感を抱かせる。
 小木港は現在も直江津との間に客船が就航しており、島の南の玄関口となっている。港の一角ではタライ船に乗る観光客の姿も眼にする。ここはその中心地区でもある。

訪問日:2017.04.30 TOP 町並INDEX