沢根の郷愁風景

  新潟県佐和田町<港町> <佐渡市> 地図 
 町並度 4 非俗化度 8 −中世の城下町に由来する歴史の古い集落−


 沢根地区は佐渡島の西部、真野湾に面し比較的穏やかな地形のもとに展開する。
 中世に城が構えられたところであり、その城下町が形成されたことが地区の始まりといわれている。その後近隣に鶴子鉱山が発見され、銀鉱石が採掘された。その積出港として発達、海岸には問屋や商人が集うようになった。
 江戸期になり幕府領となると番所が置かれ、番所役人4、番所付問屋も複数指定され、重要な港湾の一つとされた。安永5(1776)年の記録では7隻の廻船を有していた。
 鉱山の中心が相川に移ると鶴子銀山は衰退したが、以後も港として多くの船が発着し、明治期も北海道や越後各地などとの交易に利用されたが、両津が佐渡の玄関口として新潟との航路を整備すると役割が薄らいだ。
 緩やかな海岸線に沿い家並は東西に長く連なっている。港町というより街道集落といった趣の町並で、伝統的な建物はそれほど多く見られないものの、平入りの建物が密度濃く連なっている。家々の軒線が揃っているのも特徴で、或いは火災などでもあり一時期に建て直されたものかと思わせる。
 海岸部は近代的な港湾とバイパス道が整備されており、ここを走るだけでは古い町並の存在には気付きがたい。














訪問日:2017.05.01 TOP 町並INDEX