姫津・達者の郷愁風景

  新潟県相川町<港町> 地図 <佐渡市>
 町並度 5 非俗化度 7 −景勝地・尖閣湾に接する集落−









姫津集落 観光地的な色も見られるが集落内は路地が支配する

 

 江戸時代、金鉱山により島の産業的な一大拠点であった相川より北に5km弱、入江に沿い隣接して達者・姫津の集落が展開している。付近は海岸の風光に恵まれ、集落一帯は尖閣湾という景勝地となっている。
 姫津は江戸初期に石見(島根県)の漁師が移住して成立したとの言い伝えがある。半円形状の入江奥に開ける漁村で、現在は尖閣湾の一角として漁港に接して駐車場や売店も見られる。ここは相川の町を挟んだ反対側にある二見とならび、相川の補助港に指定されていた歴史がある。小さいながら入江により風波が防がれ、船の停泊に適したところであるからだろう。
 江戸後期の弘化期の記録では、沖漁船67・烏賊漁船31など多くの漁船を有していた。現在も集落内に入れば細い路地のみが展開し、漁村らしい雰囲気を湛えた集落である。漁港が整備される際に海岸部に諸車の行き来できる街路が整備されるのが常で、その境界には以前の岸壁と思われる石垣が残されていた。
 達者集落も姫津同様、板壁をまとった漁家らしい建物で構成される集落である。こちらの方が比較的平地に恵まれており密集度はやや低いように感じられる。半農半漁の村だったようで、小さな土蔵があちこちに見られるのもそのことを示しているようであった。
 








達者の町並

訪問日:2017.05.02 TOP 町並INDEX