河崎の郷愁風景

新潟県両津市<在郷町・港町> 地図 <佐渡市>
 
町並度 4 非俗化度 10 −各種商工業・廻船業などでも栄えた在郷街−




 両津の市街中心から東へ約5km、両津湾に面する海岸部に河崎の町が開ける。
 国中平野から続く平坦な土地がここから東側で途切れ、山がちな海岸線となる。そうした地形もあってか古くから家屋の集積を見、商工業も興っていたようだ。天保9(1838)年の記録では、木挽12、大工8、桶屋・板木商各4、四十物師・籠振各2などがあり、酒造を行う者もあったとされる。「佐渡四民風俗」では「久知・河崎村辺は縮布、其外平布も多く織出し」とあり、織物も盛んに行われていたことがわかる。
 廻船業や揚げ浜式塩田も盛んに行われ、嘉永元(1848)年の「塩高取調書上帳控」では1,890石を計上している。
 家並は県道から一本海側に街村的に展開している。集落の北側は現在は堤防が建設されているが、かつては海岸に面していたと思われる。平入り主体の家並は土蔵を従えた商家を思わせる外観のものもあり、古い町並らしいたたずまいを残していた。


河崎の町並


 







訪問日:2017.05.02 TOP 町並INDEX