界集落の風景 | |
会津地方の南西部、伊南川沿いに位置する界・鴇巣(とうのす)の二集落をここで紹介する。伊南川は只見川の支流で、険しい谷ではなく狭いながらも比較的平地に恵まれ、稲作が盛んに行われている。 界集落は伊南川右岸、北側で鹿水川という小さな川が合流している。まず眼につくのが昭和33年に南郷村から文化財に指定された斉藤家住宅で、18世紀後半の天明期に建築されたとされる曲家の農家である。折しも桜満開の時分、見応えのある風景であった。 集落は農村集落らしく家々が散在的に建てられている。屋根はトタン葺となっているが曲屋形式の名残を残すものが多く、貴重な集落といえよう。 |
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旧斉藤家住宅 | |
界から1km余り南下し左岸側に移ると鴇巣集落に達する。こちらは比較的家々が建ち並んだ雰囲気であり、中学校もある。しかし同様に曲屋形式や中門を持つ家々が眼につき、土蔵を従えたものも多かった。藩から綿役、糠藁役、川役などが課され、産業として養蚕、瀑布織などがあり、繭や麻とそれらの製品を交換し生計を立てていた。 この伊南川沿いはかつて沼田街道が日光方面とを結んでおり、人荷の通過も少なくなかったが街道集落としての機能はなく、純粋な農村集落であったようだ。 |
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鴇巣の町並 |
訪問日:2019.04.30 | TOP | 町並INDEX |
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