三本松の郷愁風景

香川県大内町<港町> 地図 <東かがわ市>
町並度 3 非俗化度 9 −水路を境に対照的な町の姿−
 




 





 三本松地区は県の東部、播磨灘に面する。
 高徳本線より南側は国道沿いの新しい市街地であるが、北側は古い港町が基盤の歴史深い町である。
 「兵庫北関入船納帳」によると中世には既に多くの入船があり、宇多津や引田などに次ぐ港町であったことがわかる。
 江戸時代は天明7(1787)年の記録では漁師210,水夫370余りなど港や漁業に関する職業のほか、酒屋19,紺屋19,大工7など商工業も盛んに行われていたようだ。
 藩は三本松浦に番所、浦庄屋を置きその下に浦年寄や浦番を指名し港の管理を行った。産業としては砂糖生産、近傍には塩田もあり、三本松からの荷船はこれらを積出し、帰り荷に干鰯(肥料)、鉄物などを積んだとある。
 郷御蔵が設置され、大内郡西部の年貢米が収蔵されていた。一方藩は飢饉や水害などの折にはここから御救米を出して救済もしている。
 三本松港は近代的な港湾として整備されており、その風景と古い町並が即座に結びつかないが、南側には伝統的な家屋も散見される。多くが建替えられているものの、つし二階の塗屋造りの建物などが挟まって残っているのを見ると、縦横に巡る細い路地も相まって古い港町らしい風情が感じられる。
 








訪問日:2015.08.14 TOP 町並INDEX