江の浦の郷愁風景

香川県丸亀市 【港町・産業町】 地図
町並度 4 非俗化度 8  −塩飽諸島最大の島 大柄な邸宅が見られる−






 
 丸亀市の沖、塩飽諸島の一つである讃岐広島。諸島では最も大きい島で、南岸の江の浦地区が玄関口となっている。
 他の塩飽諸島の島と同様、江戸期には人名制
(複数名で領地を管理する制度 「名」とは領地を指す)が取られ、本島の年寄の下、浦庄屋による支配が行われた。水主役として公用を勤めるほかは幕府の特例として課税が免除され、比較的安定した生活に恵まれていたものと考えられる。
 正徳3年の記録では、94軒、509名の人口があり、船15隻を有していた。70〜900石積の本格的な商船が4隻あり、西回り航路の発達に伴い廻船業に従事する者が増えた。そこから船大工、家大工に携わる家もあり、明治に入ると西日本各地の寺社建築などを手掛け、塩飽大工と呼ばれた。
 船着場の北側に比較的平坦な土地が展開しており、この一帯が集落の中心である。本島の笠島集落のような密集した町並は見られないものの、目にする家々の単体はむしろ立派な構えを持っているものが多い。板壁を巡らせ、正面に主屋を構え奥に土蔵を横道に沿って配置した旧家などは、その一棟で町並風景を演出しているようだ。
 畑地の向うに長屋門風の構えや、塀に囲われた家などが現れる風景は独特感を覚えさせる。それらは廻船問屋に由来するものか、あるいは大工職に遡るものか。ただし、無住となっている家も少なからずあるようで、その点が気掛かりであった。









 
訪問日:2025.08.31 TOP 町並INDEX