讃岐白鳥の郷愁風景

香川県白鳥町【門前町・在郷町】 地図 <東かがわ市>
 
町並度 4 非俗化度 8 −阿波街道に沿い展開する白鳥神社の門前町−




 県の東部、白鳥町は高徳本線の駅が設置されており、朝夕を中心に特急も停車し高松とは30分余りで結ばれる。
 

 
中世には大内荘に属し、江戸時代には白鳥神社を中心に町が発達した歴史を持つ。白鳥神社は、大内郡の総鎮守であった水主神社に対抗する形として藩主として入部した松平頼重氏により再興された。当時の寺社は今とは異なり、信仰の中心のみならず政治的権力を持つことも多く、この白鳥神社の存在はとてつもなく大きいものがあった。
 白鳥神社は東西500m、南北300mほどの広大な敷地を有している。文化財に指定された宝物が収納されるなど、現在でも貴重な文化財であるが門前街はひっそりとしている。この東西の街路は旧阿波街道で、明治以降にかけてしばらく栄えたのだろう、洋風の建物が散在するなど個性的な町並風景が展開していた。町家や商家の建物はごくわずかだが歴史ある街路であることはわかる。門前の西側で直角に二度折れ曲る形となっているのも古い街道らしい。
 産業としては讃岐三白とよばれる砂糖・塩・綿の生産が盛んで、幕末には塩田も存在したが、以後は手袋工業、農漁業が中心となっている。主な賑わいの中心が国道沿いに移ってしまったため、この門前の旧街道は地元の人の姿も少なく、ひっそりとした印象だった。






訪問日:2015.08.14 TOP 町並INDEX