関宮の郷愁風景

兵庫県関宮町<産業町・街道集落> 地図 <養父市>
 
町並度 4 非俗化度 10  −山陰街道に沿う長閑な町並−  






関宮の町並


 但馬地方の中部やや南寄り、円山川の支流八木川沿いに関宮の町がある。流域の谷間以外はほとんどが山林で占められ、冬は雪深いところである。
 戦国末期までは八木氏の支配下にあり、江戸時代には多くを幕府領生野代官支配地として経過している。近世初期には一時金山の町として賑わった歴史もある。八木川の上流域では良質の砂金が採取され、幕府は鉱山の東西に門を設け密売を防いだという。
 産業として養蚕があった。これは但馬南西部一帯で非常に盛んだったもので、それは町並を構成する家々の外観にも特徴が現れている。卵色の外壁に小振りな窓を付けた家々はこの地方独特のものであり、また本うだつを構えた旧家もある。強い地方性が感じられる風景だ。但し、養蚕小屋そのものを思わせる家屋は見かけなかった。
 地区内を山陰道が通り、北は村岡に向けての峠道となる。特に宿駅や街道集落として発展したという記録はなく、往来の人々によって賑わった側面はあったに違いない。家並の展開は東西の一本道に沿う街村的なものであり、緩い勾配もあってのどかな雰囲気の濃厚な集落であった。













訪問日:2012.04.30 TOP 町並INDEX