瀬見温泉の郷愁風景

山形県最上町<温泉町> 地図
 
町並度 4 非俗化度 6  −最上地方随一の温泉地−


   
 

 

瀬見温泉を代表する旅館・喜至楼と付近の町並 


 瀬見温泉は最上川の支流・小国川の峡谷沿いに温泉街が展開している。対岸に陸羽東線が新庄及び古川・小牛田方面とを結び、鉄道での交通の便も良い。
 温泉名の由来は、源義経一行が平泉に落ち延びる際、武蔵坊弁慶が瀬見と呼ばれる薙刀でこの付近の岩を突くと温泉が湧き出たとの伝説によるという。温泉街に義経の屋号を持つ店が見られるのも、その言い伝えによるのだろう。江戸期に入ると新庄藩主の御前湯として、また出羽三山へ向う旅客の宿坊としても利用され、近隣の入浴客も増えた。この頃には温泉場として知られるところになっていた。明治になると天皇・皇后の来訪もあった。
 温泉街はそれほど大きいものではなく、歩いて10分足らずで通り抜けてしまうほどである。しかし町の中心には豪壮そのものの佇まいの旅館「喜至楼」が町並全体を引締め、その印象の何割かを占める程のものに感じる。旅館建物は長年の増築により複雑な配置となっているが、中でも角地に建つ明治築造の木造三階(一部四階)の建物は文化財級といって良い外観を示している。
 この喜至楼のほかにも近代的な温泉旅館、素朴な中小規模の宿が数軒並んでおり、客の好みにあわせてそれぞれ需要があるようだ。私は伝統的な旅館が好みであるので喜至楼に宿を取ったのだが、目の前にある共同湯も人気のようで、夜遅くや翌早朝から駆けつける近隣客などで賑わっていた。また周囲にも、土蔵や商店などが古い町並の要素となり、風情をかもし出していた。
   


 
 

   
   
訪問日:2024.04.13・14 TOP 町並INDEX