妹尾の郷愁風景

岡山市妹尾<陣屋町> 地図
町並度 4  非俗化度 8  -細い路地が面影を残す戸川家の陣屋町- 









 



 
   
          
 妹尾(せのお)は岡山市域の南西部、倉敷市とのちょうど中間で早島町の東隣になる。
 現在からは想像しがたいが、江戸時代の妹尾村は児島湾に面しており、文字通りの島であった早島東岸の漁業集落だったそうである。干潟が広がり、シャコや鰻などを漁っていたという。町の一角にある御前神社には、その頃の生活を描いた「児島湾漁労回漕図」が県指定の文化財として保管されている。
 政治的な面に眼を向けると、鎌倉期から荘園として妹尾(瀬尾)の名が見える。宇喜多氏の支配を経て、慶長5(1600)年から庭瀬藩領となり、寛文9(1669)年に旗本戸川氏の陣屋が置かれた。戸川氏は庭瀬に拠点を構えていたが、4代目に至って後継者がいなくなり、分家せざるを得なかった。早島など4箇所に散っていき、その一つがここ妹尾であった。「備中村鑑」によると1330石の極小の旗本ではあったが、庄屋も二軒置かれていた。
 町の中心を貫く街路は当時のまま狭い割に交通量が多く、通行の障害ともなっている。鍵曲がりも残り、その付近にかけ本瓦葺の趣のある旧家が幾つか残っている。さらに通りからは多くの路地が派生している。
 22年振りに再訪してみて、一部更新された建物もあるように感じたが、道路改修など抜本的な変化はなく、町並の姿は概ね保たれている印象であった。
 現代交通にとってはやや不便が残るだろうが、その分町の姿に刻まれた歴史の面影を感じることが出来る。町の中心にある御前神社に文化財の解説板がある程度で、訪問者に向けた案内板等はほぼなく、自然体の町並が保たれている。


2025.09再訪問時撮影           旧ページ

 

訪問日:2003.06.15
2025.09.15再訪問
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