摂田屋の郷愁風景

新潟県長岡市商業町・産業町 地図 
 
町並度 4 非俗化度 6  −良質の水に恵まれ醸造業が発達した−





摂田屋四丁目の機那サフラン酒造 土蔵の鏝絵が印象的である


 長岡から信越本線で一駅の宮内は上越線との分岐駅となっており、駅前には昔ながらの駅前旅館が散見される。
 駅前から南に向かい少し歩くと、商店が目立つ中に造り酒屋を見るようになる。全国的にも知名度の高い吉乃川酒造のほか、極彩色の鏝絵の施された土蔵が眼を引く機那サフラン酒造が異彩を放っている。
 この摂田屋地区(中世には「接待屋」とも表記)は古くから交通の要衝で、地内を旧三国街道が通過していた。加えて良質な水に恵まれていたことから醸造業が興り、江戸後期の記録では中松屋・若松屋・信州屋など少なくとも四軒の造り酒屋が存在していたという。若松屋は後の吉乃川酒造である。
 現在も既述のものの他に三国街道沿いに造り酒屋、醤油醸造業者が数軒見られ、いずれも格式ある母家や土蔵、洋風の事務所建築などが残され、伝統的な町並の景観を形作っている。
 地元ではこれらの建築物に価値を見出されており、宮内駅にも観光案内図が示されており、また町の所々には案内板が設置されている。
 特に機那サフラン酒造はその外見上の個性のみならず、庭園など貴重な遺構もあるため、残すべき遺産といえよう。


宮内二丁目の町並 宮内一丁目の町並


摂田屋二丁目の長谷川酒造




摂田屋三丁目の町並(醤油醸造場)

訪問日:2017.04.29 TOP 町並INDEX