柴又の郷愁風景

東京都葛飾区【門前町】 地図 
 
町並度 5 非俗化度 1  −濃厚な風情のある帝釈天の門前町−





 柴又は帝釈天のある街として知られ、また寅さんのイメージが一般には最も強いところであり、京成電鉄の駅前にも銅像が立ち、記念撮影を行う人が絶えない。




帝釈天門前の町並 土産物街は伝統的な構えの店舗が連続している
 
 
 


 江戸川と中川に挟まれた低湿地帯にあり、東は江戸川を挟んで千葉県松戸市に接する。柴又と対岸の矢切の間には有名な矢切の渡しが寛永期から運行され、村民や物資の往来に寄与した。
 帝釈天は通称で、正式には題経寺という日蓮宗の寺院である。歴史は意外と新しく18世紀の末頃から「庚申」の日の縁日(ほぼ2ヶ月に1度)が賑わい始め、門前町が発達し始めた。
 京成電鉄の駅から既に門前の雰囲気が始まっている。観光客におもねるような店舗も一部に見られるが、多くは団子、煎餅、漬物、佃煮など当時から扱われてきた商品、土産物が商いされ、店構えも伝統的である。門前の風情を出そうとして伝統的建物風に偽装しているものもあるだろうから、全てが古い建物ではないだろう。しかし大都市の一角にあって、このような風情ある町並が展開すること自体貴重なものであり、都内にあって旅情といったものを感じさせてくれる数少ない場所であることは間違いない。
 わずか300m程度の短い門前街だが、建物そして賑わいともに密度濃く、歩きごたえがある。
 なお、帝釈天は彫刻の寺とも呼ばれており、その精緻な彫刻は見ものである。
 
 








訪問日:2013.12.22 TOP 町並INDEX