渋温泉の郷愁風景

長野県山ノ内町<温泉町> 地図
 町並度 7 非俗化度 3  −石畳の道に沿い小規模旅館が密集する風情ある温泉街−
 



 渋温泉は湯田中・安代・沓野など9つの温泉群の総称湯田中渋温泉郷の一つに数えられ、冬期に猿が露天風呂に入浴することで知られる地獄谷温泉も含まれる。
 長野電鉄湯田中駅から湯田中の温泉街を抜け、しばらくすると谷間に密集した温泉街が見えてくる。湯田中と比べぎっしりと建てこんでおり、また宿泊客の賑わいもこちらの方が多く華やいでいるように感じる。
 歴史は古く奈良時代に発見されたといわれ、戦国期には信濃を制した武田信玄により温泉街が形成されたといわれる。信玄は川中島の戦で負傷した家臣をここで癒させたのだという。
 石畳の温泉街として知られ、また共同浴場が9つもあり、夕刻になると宿泊客が外湯めぐりに闊歩する姿を多く見かける。地元の方及び渋温泉に宿泊する客のみに利用は限定され、落着いて湯めぐりをすることができる。そして何よりもこの温泉街の風情を高めているのが大型の旅館がほとんどなく、木造の小規模な温泉宿で占められていることだ。有名な金具屋は木造多層階建ての厳かな姿を見せ、そぞろ歩く客もここでは一度足を止め撮影していた。また横路地の風情も格別で、人がすれ違うのがやっとの狭い通りに小さな旅館が玄関を構えているさまなど、温泉町情緒が溢れなんともいえぬ風情をかもし出していた。
 古い町並としても温泉街としてはかなり上位に位置する郷愁のたたずまいであった。



 渋温泉の町並 下は代表的な旅館金具屋













訪問日:2012.01.02 TOP 町並INDEX