志度の郷愁風景

香川県志度町<門前町> 地図 
 町並度 5 非俗化度 3  −志度寺の門前町 平賀源内の故郷−




志度の町並


 志度は高松市中心部より東に15km、この付近までは都市近郊といった雰囲気で高松琴平電鉄志度線もここと都心部を結んでいる。
 中世より志度浦と呼ばれた港町で、「兵庫北関入船納帳」にもその名が見える。また志度城も構えられた土地だった。四国八十八箇所巡りの寺院の一つでもある志度寺は、平安時代前期に創建されたとされる非常に古い寺で、源平合戦の舞台ともなったとされる。一時戦乱などにより荒廃した時期もあったが、高松藩主による支援なども得て再興している。その門前町として志度は発展した。
 高松とを結ぶ志度街道に沿い商家が立ち並び、近隣各地からの年貢米を収蔵する藩の米蔵が置かれていた。また志度浦船番所が設置され、出入船に対する取締が行われていた。
 この町出身の著名な人物に平賀源内が挙げられる。奇才として世に名を馳せ町並の西側には源内邸があり、中庭には源内によって集められた薬草の数々、離れには世界を驚愕させた有名な発明品「エレキテル(発電機)」も保存される。志度寺境内には墓もまつられ、町内では「文化サロン源内」といった季刊新聞も発行され、地元の誇りのようである。
 




 この源内邸も面する旧志度街道には伝統的な建物が残り古い町並を演出している。今回掲載する画像は2000年以来、15年ぶりの再訪時のものだが、当時と比べさすがに古い建物が少なくなったようだ。一部を除いて散在的に残るといった印象で、特に保存活動を行っているとは思えない中仕方ない部分もあるのだろう。しかしそれでも、虫籠窓を残す町家建築、一部には旅籠を想起させる現役の旅館、塀を持つ邸などが見られ、志度寺そして港の賑わいを中心とした古くからの賑わいを想像させてくれる。

平賀源内旧邸






訪問日:2000.11.26
2015.08.14再取材
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