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甲府市の西、釜無川左岸に存在するこの2つの集落はいずれも旧甲州街道に沿うものであるが、家並の風景は街道集落らしさからはかなりかけ離れたものがある。 両者に共通するのが海鼠壁を多用した家屋、土蔵、門などである。これほど海鼠壁の目立つ町並は、この地方では珍しいといえるが、これは富士川沿いに伊豆方面からの往来が盛んにあった名残ともいわれている。 |
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下今井の町並 | |
下今井は上町・横町・寺町などの町割が行われて計画的に整備されたらしい色が伺える。その点街道集落らしい姿であり、家並も旧甲州街道沿いに展開するのだが、目立つのは前述の海鼠壁の土蔵や長屋門だ。この地域は主に明治以降、主産業として養蚕が盛んに行われたため、その名残の豪農建築の姿と想像できる。一部では緩い勾配と曲線を持ち、そこに展開する海鼠壁の建物は絵になるものがあった。 下今井地区より西に1km余りの志田地区は、同様に旧甲州街道沿いに家並が展開する。特徴は豪商といえるほどの広大な敷地や複数の土蔵を従える邸宅が見られることで、その点下今井地区より建物の見応えを感じる。下今井と同様養蚕を中心とした農業地帯だが、釜無川の流れに近く、養蚕とともに往来の荷を扱い、問屋として発達したのか。街道沿いと側面を全て土蔵で固め、厳かな門を持つめったに見られないほどの規模の屋敷も残っており、その姿を見るだけでも価値があるといえる集落だ。 |
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志田の町並 |
訪問日:2015.05.02 | TOP | 町並INDEX |
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